今年のバラ交配の結果、そして種蒔き。

今年はたくさんのバラの受粉作業をしたのですが、けっきょく結果が出たのはたったの2つでした。

 

今年一年、理想的な気候に恵まれ、バラたちの生育が盛んで、次から次へと枝を伸ばしたくさんの花をつけてくれたバラたちでした。

 

それなのに、結果が出たのは15~16買い中たったの2つ。

 

うまく受粉できておらず実がつかず落ちてしまったものは仕方がないのですが、花から切りをする時にまちがって切り落としてしまったという人的失敗もちらほらありました。

 

そのくらい今年は花数が多かったんですね、ありがたや~。

 

もうすでに何度か雪がちらつき、土もカッチカッチに凍り付いていますが、今日はそのバラの実から種を取り出し、種蒔きをしました。

こちらはポートサンライト(母)とボニカ'82(父)の果実。

 

ポートサンライトはわりと大きめの花ですが、ローズヒップはかなりつつましやかで、1cmもありませんでした。

 

ノイバラのローズヒップより一回り大きいくらいですね。

 

実はこれ、先月半ばくらいに枝から落ちてしまい、植木鉢の土の上に転がっていたのを、発見しました。

 

もうちょっと熟成しないかなと、そのまま土の上に放置していたのを今拾ってきました。

 

表面はすでに乾燥気味でカチカチです。

 

バラの種は乾燥させると発芽能力を失ってしまうので、若干あせりましたが、この固い果実にハサミを少しずつ入れて果肉をそぎ落として採取できた種が3粒。

 

意外と入っていましたね。

 

バラの果実や種の大きさは品種によって様々ですが、大き目の果実にたくさんの果実が入っているかと思うとたった1~2個だったり、逆に小さな果実でも開けてみると本当に小さな粒がぎゅうぎゅうに詰まっていたりするので面白いです。

 

もう一つはアンナプルナを母株にしたものです。

2cmを越える立派なローズヒップです。

 

父株は・・・残念ながらわからなくなってしまいました。

 

私なりにタグをつけていたのですが、雨や日光で文字が消えてしまっていました。

 

そういうときの為にメモ帳に交配した日にちや品種などをメモしていたのですが、なぜかこれだけメモし忘れていたようで記録が見つかりませんでした(ー▽ー;)。

 

この果実から採れたのは、小さな10粒ほどの種でした。

 

実はあともう1品種バラの種があります。

 

今年はノイバラの花房をいくつかそのままにしておき、ノイバラの果実も採取したんですよ。

一つ一つは5mm前後の小さな実ですが、ノイバラは房咲きするので果実も量が取れます。

 

小さな果実なのに最大2~3コの種が出てきて、最終的に40粒以上取れました。

 

種をすべて取り出しよく洗い、こびりついた産毛や果実のカケラを取り除きます。

写真上がノイバラの種、下がアンナプルナの種です。

ポートの種は撮影する前に蒔いてしまい、画像がありません。

 

土は挿し木種蒔き用の培養土を使います。

 

バラの発芽はかなり時間が掛かります。

 

種は冬の寒さを過ごすうちにさらに熟して、気温がある程度高くなった時に発芽します。

 

その間種は乾燥させてしまうと発芽能力がかなり低くなるので、乾燥させないようにかなり気を付けなければなりません。

 

種を殺菌し、ある程度湿らせて冷蔵庫で何週間か保管し熟成させてから種を蒔くという方法があったのですが、北海道では種を蒔く適温になるまでに数か月を要します。

 

冷蔵庫で湿らせた種のまま保管するにも、種を蒔いてから室内で鉢を管理するにも、カビの発生を抑えるのがかなり難しく失敗しました。

 

なのでここ北海道ではもう秋のうちに種を蒔いてしまって、土が凍らないように越冬させ、発芽する気温になるまで外で管理するのがベストという答えに着地しました。

 

その際でもカビが生えないように肥料分の入らない挿し木種蒔き用の専用培土やバーミキュライト、赤玉土など最適です。

 

ただ、バーミキュライトや赤玉土は水の管理がちょっと難しい感じです。

 

というわけで、挿し木種蒔きようの専用培養土を使用します。

 

この土にしっかり水を含ませて、種を蒔いていきます。

 

水を含ませずに種を蒔いてしまうと土が浮き、種が出てきてしまいますので、要注意です。

 

普通の培養土よりも水含みが悪く、湿らせたと思っても表面だけという事があるので、今日は一日腰水してたっぷりと水を含ませます。

白い植木鉢にノイバラの種、茶色い植木鉢にはポートとアンナプルナの種をそれぞれ品種別に蒔いています。

 

ちなみに、種を水に入れて水に沈むのが良い種、浮いてしまうのが悪い種という説がありますが、バラの場合はそれに当てはまらず、水に浮いても浮かなくても発芽率は変わらないという話をされていた方がいらっしゃいました。

 

本当にそうなのか確かめたくって、ノイバラの水に浮いた種と沈んだ種、アンナプルナの水に浮いた種と沈んだ種で、鉢を分けてみました。

 

ポートサンライトの種は3粒しかなく全て水に浮いてしまったので全部一緒に植えてあります。

 

明日にはこれをプチプチでくるんでダンボールに入れ、車庫にしまって冬越しをさせたいと思います。

 

来年の初夏にはいくつの若芽とであえるでしょうか?

 

とても楽しみです。

2023年12月03日