バラ種子の収穫です。

今日は、バラ種子の収穫と保存の作業をご紹介します。

 

バラの交配には昨年から挑戦しているのですが、去年は実が途中で落ちてしまい失敗に終わりました。

今年はやり方を見直し、交配数を倍に増やしました。

結果、交配した数の半分にも満たない数ですが、ローズヒップを収穫することが出来ました。

 

こちらが収穫できたローズヒップです。

どれがどのローズヒップかわからなくならないように、すぐに両親の名前を書いて袋に詰めます。

母となる品種によって、果実の大きさや形がだいぶ違いますね。

上段中央はローズヒップが上手くできず奇形になってしまいました。

それでもずっと枝につけておいたら、しっかりと種ができていました。

 

本当に完熟しているものの果肉はとても柔らかいそうなのですが、

グリマ(グリマルディ)のローズヒップは色は完熟してそうなのにとても固く、ハサミで割るのも一苦労でした。

中の種子もそれぞれ個性的ですね。

 

みなさんの中には、ローズヒップと聞くとお茶をイメージされる方もいらっしゃると思います。

酸味が強くビタミンCがたっぷりという謳い文句のアレです。

ティーに使われるのは主にイヌバラ(ドッグローズ)やハマナスの果実だそうです。

イヌバラのローズヒップは見たことないですが、ハマナスの果実はあっさりしたオレンジ色になったくらいに収穫して食べると酸っぱいリンゴのような味がして、生食もできたりします。

 

では、このローズヒップたちはお茶やできたりするのでしょうか?

それぞれ種と綿のような繊維を取り出してから、果肉を少しかじって味見してみました。

結果は・・・どれも酸味はあるけれど、エグ味もあ苦酸っぱくて美味しくなかったです。

 

洗い桶に水を張り、そこに一つ一つ中身を取り出して入れ、種についた繊維や果肉を水で洗い流します。

この後オキシドールを薄めたものに漬けて消毒処理をするそうなのですが、今年はあえてその作業をカットしてみます。

こうして種子を取り出すことが出来ました。

 

上段左から右に

母ジョージ・ベスト×グリマルディ

母ジョージ・ベスト×ノイバラ

母バーガンディ・アイスバーグ×ノイバラ

 

下段左から右に

母ピンクドリフト×ノヴァーリス

母グリマルディ×不明(タグの文字が消えてわからなくなりました)

母グリマルディ×ジョージ・ベスト

です。

他にもたくさんかけ合わせたけれど、結果が出たのはグリマルディとジョージベストばかりですね。

 

さて、問題はここからです。

この種子を来年の春まで保存しなくてはなりません。

保存方法が悪ければ発芽しません。

 

バラを実生で育てることにも挑戦したいと思い、野生のハマナスの果実を収穫し種を取って、今年の春種蒔きしたのですが100粒近く蒔いて一つも発芽しませんでした。ハマナスの発芽率は元々高くないそうなのですが、それ以前に保存方法に問題がありました。

 

寒さにあてれば良いとだけ思い、紙封筒に入れて冷凍庫に入れておいたんですね。

バラの種子はこれでは発芽能力が死んでしまうそうです。

バラの種子を乾燥させないように、水で湿らせたキッチンペーパーで挟みこみ、ビニール袋に入れて密封。冷蔵庫の一番温度の低いところで保管ということだったので、チルド室においてみました。

時々ペーパーが乾いていないか確認して春まで待ちます。

 

タネイモみたいなものならともかく、固い種子でも乾燥したらダメなものがあるなんて初めて知りました。

 

おや?ちゃっかり、袋の数が増えていますね。(母アンナプルナ×ピニャータ)

実は秋口に実が落ちてしまったものがあり、あきらめきれずに拾い上げて中を見たところ、種がとれたので封筒に保管していたんです。先ほど開けてみたところ色が変わりパリパリに割れていたものもありました。やっぱり乾燥はバラ種子の大敵なんですね。

ダメ元でこちらも同じ保管方法にして春まで待ちます。

 

こうやってずっと湿らせて貯蔵となると、やっぱり消毒しておいた方が良かったかもしれません。来年の収穫時はきちんとオキシドール用意します。

2021年12月01日